

2025年の皆既月食は9月8日全国で見られる!
2025年の皆既月食は、9月8日(月曜日)の未明から明け方にかけて起こります。
今回は、息をのむような美しい天体ショー、2025年9月8日に見られる「皆既月食(かいきげっしょく)」について、どこよりも分かりやすく徹底解説していきます。
この特別な夜は「コーンムーン(トウモロコシ月)」と呼ばれる9月の満月が、神秘的な「ブラッドムーン(血色の月)」に姿を変える、まさに天体観測の一大イベントです。
「天体観測って難しそう…」と思っている方も大丈夫!
この記事を読めば、皆既月食が100倍楽しくなること間違いなしです。
誰でも楽しめるように、専門用語をなるべく使わずに、図解も交えてご紹介しますね。



まずは、皆さんが一番知りたい「いつ、どこで見られるの?」という疑問からお答えします!
2025年の皆既月食は9月8日全国で見られる!



2025年の皆既月食は、9月8日(月曜日)の未明から明け方にかけて起こります。
嬉しいことに、この天体ショーは月が見える場所であれば日本全国どこからでも観測することができます。
さらに、アジア全域、オーストラリア、太平洋の一部でも同時に観測可能な、まさに国際的な天体イベントです。
特別な機材は必要なく、肉眼でも十分に楽しめますよ。
この日、まんまるのはずの満月が、地球の影にすっぽりと隠されて、普段とは違う「赤銅色(しゃくどういろ)」の幻想的な姿を見せてくれます。
まるで夜空に浮かぶ赤い宝石のよう。この神秘的な光景を、ぜひご自身の目で確かめてみてくださいね。
- 日付:2025年9月8日(月)
- 時間帯:未明〜明け方
- 見られる場所:日本全国
- 最大の見どころ:約1時間22分続く、赤銅色の月
詳しい時間をチェック!月食のタイムスケジュール
月食は、一瞬で終わる現象ではありません。月が地球の影に入り始めてから、完全に抜けるまで、数時間をかけてゆっくりと進行していきます。





下のタイムスケジュールを参考にして、見逃さないようにしましょう!
現象 | 時刻 | 月の様子 |
部分食の始まり | 1時27分ごろ | 月の左下から欠け始めます。 |
皆既食の始まり | 2時31分ごろ | 月全体が地球の影に完全に入り、赤銅色に見え始めます。 |
食の最大 | 3時12分ごろ | 月が地球の影の中心に最も近づき、最も暗く赤く見えます。 |
皆既食の終わり | 3時53分ごろ | 月の左下から再び輝き始めます。 |
部分食の終わり | 4時56分ごろ | 月が地球の影から完全に抜けて、元の満月に戻ります。 |
皆既食が始まってから終わるまでの、月が完全に赤く見える時間は、なんと約1時間22分もあります。
こんなに長い時間、神秘的な月を堪能できるのは本当に貴重な機会です。
「コーンムーン」とは?9月の満月の特別な意味
今回の皆既月食は、ただの満月ではありません。
9月の満月は、アメリカ先住民の農事暦で「コーンムーン(トウモロコシ月)」と呼ばれる特別な月です。
この時期は、沈む太陽と入れ替わりに姿を現し、高く昇る前に美しい金色に輝くのが特徴です。
収穫の季節を告げる神聖な月が、神秘的な「ブラッドムーン(血色の月)」に変化する様子は、まさに自然の織りなす壮大なドラマと言えるでしょう。
なお、よく知られている「ハーベストムーン(収穫月)」は秋分の日に最も近い満月を指すため、今年は10月の満月がその名で呼ばれることになります。
どこで見るのがベスト?観測場所の選び方
先ほど「日本全国で見られる」とお伝えしましたが、より美しく観測するためには、場所選びに少しだけコツがあります。
ポイントは「西の空が開けている場所」
今回の月食は、未明から明け方にかけて起こり、月は西の空にあります。
特に、月食の後半(皆既食の終わりから部分食の終わりにかけて)は、月がかなり低い位置まで沈んできます。
そのため、西側に高い建物や山がない、開けた場所を選ぶのが絶対におすすめです。



例えば、次のような場所が観測に適しています。
- 開けた公園や河川敷
- 海岸
- 建物の屋上やベランダ(西側が開けている場合)
- 周囲に明かりが少ない郊外
特に、東日本にお住まいの方は、月食の終盤には月が地平線にかなり近くなるため、西の空が地平線近くまで見渡せる場所を事前に探しておくと、最後までじっくりと観測できますよ。
そもそも「皆既月食」ってなんだろう?
ここで少し、皆既月食の仕組みについてお話ししましょう。
なぜ月が欠けたり、赤くなったりするのかが分かると、観測がもっと面白くなりますよ。


月食は「地球の影」が主役の天体ショー
月食とは、簡単に言うと「月が地球の影の中に入る」現象です。
普段、月が満月として輝いて見えるのは、太陽の光を反射しているからです。
しかし、「太陽 – 地球 – 月」が一直線に並ぶと、地球が太陽の光を遮ってしまい、その影が月にかかります。



これが月食です。
影の中に入った月は太陽の光が当たらなくなるため、欠けたり、暗く見えたりするのですね。
「じゃあ、満月のたびに月食が起きるの?」と思うかもしれませんが、そうではありません。
月の公転軌道は、地球の公転軌道に対して少し傾いているため、満月でも地球の影の上や下を通り過ぎることがほとんど。
この三者がきれいに一直線に並ぶ、特別なときにだけ月食は起こるのです。
なぜ月は赤くなるの?不思議な色の秘密


皆既月食の最大の見どころは、なんといっても「赤銅色の月」です。
月が完全に地球の影に入ると、真っ暗になるのではなく、ぼんやりと赤く光って見えます。



これはなぜでしょうか?
その秘密は、地球を覆う「大気」にあります。
太陽の光が地球の縁をかすめるように通過するとき、地球の大気によって光が屈折します。
このとき、波長の短い青い光は途中で散乱してしまいますが(空が青く見えるのと同じ原理です)、波長の長い赤い光は大気を通り抜け、屈折して月の表面を照らします。
つまり、皆既食中の月を照らしているのは、世界中の夕焼けや朝焼けの光なのです。
そう考えると、なんだかとてもロマンチックですよね。
大気の状態によって、通り抜ける光の色や量が変化するため、皆既月食のたびに月の赤みや明るさが微妙に異なります。
「今回はどんな色の月が見られるかな?」と想像するのも、月食の楽しみ方の一つです。
9月の夜空:月食以外の見どころも満載
皆既月食だけでなく、9月の夜空は他にも魅力的な天体現象が目白押しです。
9月3日(水):プレセペ星団と惑星の共演
日の出の約1時間半~1時間前、東北東~東の低空を見ると、明けの明星として輝く金星のすぐ上に、かに座のプレセペ星団(M44)がきらめいています。右上方には木星も光っています。
英語で「蜂の巣(ビーハイブ)」の名を冠するプレセペ星団は、双眼鏡で覗くと繊細な星々の集まりを観察できます。
9月4日(木):火星とスピカの接近
日没後間もない西南西の低空で、青白いおとめ座の1等星スピカの右隣に赤い火星が並びます。
火星は来年1月に太陽をはさんで地球との距離が最も離れる「合(ごう)」を控えているため、今はかなり暗くなっています。
次に火星がピークの輝きを取り戻すのは、2027年2月の「衝(しょう)」の時まで待たなければなりません。
皆既月食を100倍楽しむための観測ガイド
最後に、この世紀の天体ショーを最大限に楽しむためのヒントをいくつかご紹介します。


1. 準備は最小限でOK!
皆既月食は、肉眼でも十分に楽しむことができます。
特別な望遠鏡などは必要ありません。
9月とはいえ明け方は冷える可能性があるので、暖かい服装やブランケット、温かい飲み物などがあると、快適に観測できますよ。
2. 双眼鏡があればさらに感動!
もし双眼鏡や天体望遠鏡をお持ちなら、ぜひ使ってみてください。
赤銅色の月の表面の模様や、立体感までくっきりと見ることができ、肉眼とはまた違った感動が味わえます。
3. 写真撮影に挑戦してみよう!
スマートフォンでの撮影は少し難しいかもしれませんが、デジタルカメラと三脚があれば、美しい皆既月食の姿を写真に残すことも可能です。
マニュアルモードで、シャッタースピードやISO感度を調整しながら、最高のショットを狙ってみましょう。
4. 事前に天気予報をチェック!
こればかりは神頼みですが、当日の天気が晴れることを祈りましょう!
週間天気予報などをこまめにチェックして、晴れ間が期待できるか確認しておくと良いですね。
まとめ
今回は、2025年9月8日に起こる皆既月食について詳しくご紹介しました。
重要ポイントのおさらい
日時: 2025年9月8日(月)の未明から明け方(皆既食は2:30~3:53ごろ)
場所: 西の空が開けた場所なら日本全国どこでもOK!
見どころ: 約1時間22分も続く、コーンムーンのブラッドムーン
観測範囲: 日本・アジア・オーストラリア・太平洋の一部で同時観測可能
次に日本全国でこれほど条件の良い皆既月食が見られるのは、しばらく先になります。
「コーンムーン」と呼ばれる特別な満月が「ブラッドムーン」に変化する、この貴重な機会を逃さず、ご家族やご友人、大切な人と一緒に、夜空が繰り広げる壮大なスペクタクルを心ゆくまで楽しんでみてはいかがでしょうか。
晴天に恵まれることを、心から願っています!
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